「QMA」STORY

QMA」(マジックアカデミーマジアカ・くま・熊)STORY

魔法学校登校日誌 2009年10月7日(水曜日)

・・・4時間目(「文系学問」)

アメリア)授業を始める前に、この前の小テストを返しまーす!今から渡すので、名前が呼ばれた人は取りにきてください。

(ユリ)うーん、問題全然わかんなかったから、またダメだろうなぁ。

アメリア)まずは、シャロンさん!

シャロン)はい!

アメリア)シャロンさん、よく頑張ったわね。パーフェクトよ!

シャロン)ど、どうです!わたくしの実力!

(ユリ)シャロンさん、また満点だったんだ。すごいなぁ。

アメリア)もうひとりパーフェクトだった人がいます。クララさん!

(クララ)わ、わたしがですか!?

アメリア)クララさんもよく頑張りました。おめでとう!

(クララ)ホントだ・・・とってもうれしい!

アメリア)他の人も、シャロンさんやクララさんを見習って、頑張りなさい。それじゃ返すわね。

・・・

(ユリ)わたしの名前、なかなか呼ばれないなぁ・・・。

アメリア)最後にユリさん、前に来なさい!

(ユリ)え、もしかしてまた・・・?

アメリア)ユリさん、これはどういうことかしら・・・?

(ユリ)ええーっ、答え全部間違ってるじゃん!

アメリア)ユリさん、1問もできないなんてあなただけだわ。どうしたの?

(ユリ)考えたけど、全然わからなかった。ごめんなさい。

アメリア)あらら、そんなに落ち込まないで。授業始めるから、席に戻りなさい。

シャロン)あら、ユリさん、また悪い結果だったようですわね。


・・・4時間目(「文系学問」)終了後・昼休み

アメリア)ユリさん、ちょっといいかしら。

(ユリ)何?

アメリア)お昼一緒に食べに行かない?

(ユリ)先生からわたしを誘うなんて、何かあったの?

アメリア)サツキ先生がね「最近ユリさんが元気ないみたい」って言っていたので、気になったから。

(ユリ)え、サツキ先生が、わたしのこと心配になっているんだ。

アメリア)それでお昼休みの時間を利用して、サツキ先生と2人でお話したいんだけど、ユリさんはお昼どうするの?

(ユリ)わたしも、今日は食堂でお昼食べるつもりです。

アメリア)よかったわ。サツキ先生と食堂で待ち合わせているので、早く行きましょうか。

・・・食堂

食券の自動販売機の前に、人がたくさん並んでいる。

(ユリ)今日の日替わり定食は何かなぁ・・・「鯖の塩焼き」なんだ。

アメリア)ユリさんって「日替わり定食」よく食べるの?

(ユリ)うん。「日替わり定食」だったら、ご飯たくさん食べられるから。いつも「大盛り」にしてもらっているよ。

(サツキ)ふーん、ユリさんって、「日替わり定食」はいつも「ご飯大盛り」で食べているんだ。

(ユリ)わたし、ちゃんと食べないと力が出ないから・・・って、サツキ先生?!

(サツキ)ふふっ、ユリさんって大食いなんだ。「ユリさんは大食い」と。

(ユリ)先生、そんなのメモしないでよ〜。恥ずかしいってば。

ユリの知らないうちに、サツキがすぐ後ろに並んでいた。

アメリア)ユリさん、順番空いたわよ。

(ユリ)あ、ホントだ。

3人は定食をもらいに行って、空いている席にユリとサツキが向かい合わせに、アメリアがユリの横にそれぞれ座った。

(ユリ)お腹ペコペコ。早く食べようっと。

アメリア)ちょっと待ちなさい!

(ユリ)なんで止めるのよ!早く食べたいのに〜。

アメリア)手を合わせましょう。

(サツキ)あ、そうだね。手を合わせてから食べようね。

アメリア)いただきます。

(ユリ)いっただきまーす!

(サツキ)いただきます。

アメリア)塩鯖おいしいわ。この塩加減がなんとも。

(サツキ)塩鯖おいしくて、ご飯と合いますね。

(ユリ)「わたしのことで話したい」って、何のこと?

(サツキ)最近ユリさんが元気なさそうにしてたから、心配していたんだよ。

(ユリ)そうだったんだ。心配かけてごめんなさい。

アメリア)何かあったのね。

(ユリ)
うん・・・。この前勉強しに行ったんだけど、成績よくなかった。ドラゴン組で最下位になったり、惜しいところで間違えたり、わたしだけ間違えたりしたんだ。

アメリア)それでそんな格好をしてるのね。

(ユリ)恥ずかしいけど、頑張れなかった自分が悪いから・・・。

・・・

シャロン)サツキ先生、アメリア先生、ごきげんよう

(ユリ)あ、シャロンさん、どうしたの?

シャロン)あの、サツキ先生、横いいかしら?

(サツキ)入っていいよ。どうぞ。

シャロン)ありがとうございます。

(ユリ)今日はシャロンさんも食堂だったんだ。

シャロン)え、ええ。実はその、アメリア先生にお渡ししたいものがありまして。

アメリア)「渡したいもの」って、何かしら?

シャロン)もちろん、受け取っていただけますわね。はい、どうぞ。

アメリア)ありがとう。ここで、中開けちゃってもいいかなぁ?

シャロン)いいですわよ。きっと気に入っていただけると思いますわ。

アメリア)まあ、メガネケースじゃない。うれしいわ。ありがとう。

(ユリ)シャロンさん、今日って特別な日なの?

シャロン)あら、ご存じないんですのね。今日はアメリア先生の誕生日ですわよ。

(サツキ)そうなんだ。今日アメリア先生の誕生日だったんだ。おめでとう。

(ユリ)アメリア先生、誕生日おめでとう。

アメリア)サツキ先生も、ユリさんも、お祝いしてくれるなんてうれしいわ。ありがとう。

シャロン)あの、先生、わたくしのこと忘れてないかしら?

アメリア)シャロンさんからまさかわたしにプレゼントがもらえるなんて、思ってなかったわ。大切に使わせてもらうわね。ありがとう。

シャロン)気に入っていただけて、よかったですわ。

(ユリ)早く食べてしまおう。食堂閉まっちゃう。

シャロン)ユリさん、まだ食べている人がいるのに、閉めることなんてできませんわよ。

(ユリ)そうだね。でも早く食べてしまおう。昼休みが短くなっちゃうよ。

シャロン)確かにそうですわね。

アメリア)まだ途中だったわね。早く食べてしまいましょう。

・・・15分後

(ユリ)ごちそうさまでしたー。あー、お腹いっぱーい。

アメリア)ごちそうさまでした。

(サツキ)ごちそうさまでした。

(ユリ)あれ、シャロンさん今日はご飯食べるの遅いね。もしかして魚苦手なんだ。わたしが代わりに食べてあげようか?

シャロン)いいえ、結構です。頑張って食べますから。

(サツキ)シャロンさん、「食べる」って言ってるからそっとしてあげようね。

アメリア)先生、塩鯖おいしかったわね。

(サツキ)そうですね。

ピーンポンパンポーン
エリーザの声で校内放送が入る。

(エリーザ)
「昼休み中失礼いたします。緊急の職員会議を行いますので、先生方は至急職員室にお帰り下さい。もう一度繰り返します。緊急の職員会議を行いますので、先生方は至急職員室にお帰り下さい。」

(ユリ)何だろう?「緊急の職員会議」って。

アメリア)悪いのだけど、わたしとサツキ先生の食器も片付けておいてくれないかしら?

(ユリ)いいよ。シャロンさんまだ食べているから、一緒に片付けておくね。

アメリア)ありがとう、助かるわ。サツキ先生、職員室に行きましょうか。

アメリアとサツキは職員室に行った。

シャロン)ユリさん、わたくしのためにいてくれるなんて。

(ユリ)いいって。いいって。わたし先に食器片付けてくるね。

ユリはアメリアとサツキの食器も一緒に返しに行った。

・・・数分後

(ユリ)シャロンさん、わたしたちだけになっちゃったね。

シャロン)そうみたいですわね。

さっきまで学生たちでにぎわっていたのが、シャロンとユリの2人だけになっていた。

シャロン)ごちそうさまでした。ユリさん、付き合わせて悪かったわ。

(ユリ)シャロンさん、口のところに骨がついてるよ。取ってあげるね。

シャロン)これくらい自分で取りますわ。

(ユリ)じゃあ、シャロンさんの食器、わたしが片付けてあげる。

シャロン)自分でやります。

(ユリ)わたしがやるから、シャロンさんは座ってて。

シャロン)もう〜、仕方ありませんわね。そこまでおっしゃられるのなら、お言葉に甘えましょう。

(ユリ)ありがとう。じゃあ、シャロンさんの食器返してくるね。

・・・

(ユリ)食器返してきたから、一緒に教室行こう。

シャロンとユリは教室に行った。

(ユリ)シャロンさん、体を動かすのって、興味ある?

シャロン)確かに、適度な運動って気持ちいいですわね。

(ユリ)わたしね、よく公園まで行って、ランニングコース走っているんだ。

シャロン)公園に「ランニングコース」なんてあるんですのね。

(ユリ)シャロンさんもやってみたいんだ。じゃあ今度一緒に行こう!

シャロン)運動するのはいいけど、勉強もちゃんとやりましょう。さっきアメリア先生の授業のとき、ユリさん一番最後に呼ばれていたわね。

(ユリ)また小テストで、0点取っちゃった。

シャロン)ダメじゃないの。

(ユリ)アメリア先生言ってたけど、0点だったのわたしだけだって。

シャロン)そんな成績だったら、本当にユリさんあなただけ別のクラスになってしまいますわよ。

(ユリ)わたしだけ、別のクラスになってしまうなんて、そんなのなりたくない。

シャロン)じゃあどの教科でも、マジメにお勉強しましょう。約束できるわね。

(ユリ)はーい。

シャロン)「成せば成る」って、おっしゃってますものね。

(ユリ)だから、それは「予習」だってば。

シャロン)違います。「予習」でなくても、頑張ればできると思います。

(ユリ)わかった。約束するよ!

シャロン)わたくしは、その、お手洗いに行ってから、教室に行こうと思いますの。

(ユリ)これがちょうど、わたしも同じだったりするんだよなぁ。

シャロン)じゃあ、ご一緒に参りましょうということで。

(ユリ)そうだね!