「QMA」STORY
魔法学校登校日誌 2010年5月17日(月曜日)
・・・学校の廊下:夕方4時ごろ
(シャロン)ではユリさん、わたくしとご一緒に参りましょうか。
(ユリ)えっ、どっか行くとこでもあったっけ・・・?
(シャロン)図書館です!昨日「学校が終わってから図書館でお勉強しましょう」って、約束しましたわよ。
(ユリ)あはは、忘れてた。
(シャロン)も〜、忘れちゃダメじゃないの・・・
(ユリ)どうしたの?
(シャロン)あの、悪いのだけど、先に図書館に行っていただけないかしら。
(ユリ)なんで?
(シャロン)言わなくても何かわかるはずです!
(ユリ)えー、わかんなーい。
(シャロン)ちょっとお手洗いに行ってくるだけですわよ。
(ユリ)そうなんだ。じゃあわたし先に行っとくね!
(シャロン)それから、わたくしの物も一緒に持っていってくださらない?
(ユリ)わかった。シャロンさんのも一緒に持っていっておくね!
(シャロン)お願いいたしますわ。
・・・学校の図書館:夕方4時過ぎ
(ユリ)席空いてるかなぁ・・・
(クララ)あ、ユリさん、今日はここでお勉強ですか?
(ユリ)誰?なんでわたしの名前知ってるの?
(クララ)わたしの名前忘れちゃうなんて、ユリさんひどいですぅ。
(ユリ)えっと、誰だったかなぁ?
<クララはメガネを取り出してかけた>
(クララ)わたしです!思い出しました?
(ユリ)あっ、クララさんだったんだ。全然気付かなかったよ。
(アロエ)あっ、ユリちゃん、クララちゃんにいじわるしたー。
(ユリ)わー、違う!違う!いじわるなんかしてないってば。
(ユリ)そんなことしたら、わたし怒られちゃうよ。
(シャロン)あら、何かもめ事でも?
(ユリ)やばっ!シャロンさん来ちゃった。
(シャロン)何があったんですの?
(アロエ)あのね、ユリちゃん、クララちゃんにいじわるしてたよ。
(シャロン)ユリさん、クララさんにいじわるするなんて、ダメじゃないの。
(ユリ)だから違うってば。最初誰かわからなかったんだ。本当だって。
(クララ)うーん、もしかしたら、あれかも。
(シャロン)クララさん、どうしたんですの?
<クララはかけているメガネを取ってみる>
(アロエ)あれー、違う人になっちゃった。
(シャロン)見た目が変わりましたわね。
(クララ)実は今日、コンタクトレンズを入れてみたんです。
(シャロン)そういうことでしたの。ユリさん、クララさんに謝りなさい。
(ユリ)ごめんなさい。
(クララ)ユリさん、もうわたしの名前、忘れないでくださいね。
(ユリ)大丈夫だって。
(シャロン)ところでアロエさんは、ここで何をなさっていたの?
(アロエ)お勉強だよ。でもね、ほしい本が高いところにあって手が届かないの。
(シャロン)代わりに取ってあげましょう。
(クララ)ここは図書館よ、静かにしないと。
(アロエ)しゅん、ごめんなさい。
(ユリ)ねえ、その本、どこにあるのかなぁ?
(アロエ)えっと、こっちだよ。
(シャロン)ではクララさん、また時間があるときに、ご一緒にお茶なんてどうかしら。
(クララ)はい、喜んで。お勉強したいので、失礼します。
(ユリ)シャロンさん、アロエちゃんが「早く行きたい」って、言ってるよ。
(シャロン)取ってほしい本は、どこにあるんですの?
(アロエ)こっちだよ。早く行こうよ!
(シャロン)ちょっと!そんなに手を引っ張らないでください!
(ユリ)シャロンさん、ここ図書館。
(シャロン)そうね、あなたの言う通りだわ。悪かったわね。
(ユリ)(あれ、シャロンさん、素直に謝ったなぁ。いつもと違う。どうしたんだろう。)
(シャロン)ユリさん、今何かおっしゃいました?
(ユリ)べ、別に何でもないよ。