「QMA」STORY

魔法学校登校日誌 2009年12月1日(火曜日)

・・・シャロンとユリの部屋:朝7時ごろ
まだユリが寝ているので、シャロンが起こそうとしている。

シャロン)ユリさん、起きましょうね。

(ユリ)う、う〜ん・・・。

シャロン)ユリさん、起きなさい!

(ユリ)あと5分、寝かせて。

シャロン)ダメです!早く起きなさい!

(ユリ)ねえお願〜い、あと5分だけ寝かせて〜。

シャロン)そんなの認めませんわ!早く起きなさい!

しかしユリがなかなか起きようとしなかったので、かけていた毛布をはがす。

(ユリ)ぶるっ、さぶっ。

シャロン)ユリさん、おはようございます。

(ユリ)ちょっと!いきなり何するのよ!寒いじゃない!

シャロン)ユリさんが、なかなか起きようとしないからです。

(ユリ)だからって、いきなり毛布はがさないでよ!

シャロン)それよりもユリさん、早く着替えなさい。わたくしとご一緒に朝ご飯を食べましょう。

(ユリ)いつもよりも、時間早いんだけど。

シャロン)ユリさん、朝ご飯いらないんですの?今日はわたくし、学校に早く行かないといけないんです。

(ユリ)なんで?

シャロン)今日は生徒会の立番があるんです。ユリさん、朝ご飯いらないのなら片付けますわよ。

(ユリ)ちゃんと食べるから、片付けないでよ〜。しっかり食べないと、力が出ないんだから。

シャロン)ユリさんの分も用意してありますから、早くしなさい。

(ユリ)はーい。

・・・20分後

シャロン)ではわたくしは、先に学校に行きますわね。ユリさんも遅れないように来なさいね。

(ユリ)わかってるって。シャロンさん、行ってらっしゃーい!

シャロンは先に学校に行った。

(ユリ)
さてと、わたしも行く用意をしないとね。今日はわたしの誕生日だから、見た目を替えてみんなをびっくりさせちゃおう。
♪〜ふん、ふん、ふーん 今日はわたしの誕生日〜♪髪型はこれにして、いつもとは違う服着て・・・これでよし、っと。
せっかくだから写真も撮っておこう。みんなびっくりするかなぁ・・・。

ユリは髪を下ろし、シャロンと同じ服を着て学校に行った。しかし思わぬことになろうとは・・・

・・・学校の教室
シャロンが教室に入ってくる。

シャロンルキアさん、おはようございます。

ルキア)あ、シャロンさんおはよう!最近朝寒いね。

シャロン)そうですわね。

ルキア)わたしよりシャロンさんが後に来るなんて、どうしたの?

シャロン)今日は生徒会の立番があったので、早めに登校してたんです。

そこにシャロンやルキアと同じ制服を着て、青い髪を下ろした女の子が入ってくる。実はユリだった。

(ユリ)おっはよー!!・・・あれ、誰も返してくれない。まあいいや、自分の席に行こうっと。

ユリが自分の席に行こうとすると、シャロンに呼び止められる。

シャロン)オホン、あなた、このクラスじゃありませんわよ。

(ユリ)シャロンさん、何言ってるの?わたしユリだよ。

シャロン)ユリさん?わたくしが知っている、ユリさんとは違いますわ。

(ユリ)わたしこのクラスだってば!

シャロン)ユリさんは確かにこのクラスですが、あなたは違います。早く自分のクラスに行きなさい!

(ユリ)だからユリだってば。放してよ!

ルキアシャロンさん何もめてるの?

シャロン
ルキアさん、ちょうどよかったわ。「ユリ」さんと名乗っているのですが、違うクラスの方のようです。外に追い出すの手伝ってくださらない?

(ユリ)痛い!痛い!やめてよ〜!

シャロン)あなたはこのクラスじゃありません!早く自分のクラスに行きなさい!

ルキア)早く自分のクラスに行こうね。

ユリは廊下に追い出されてしまった。そしてしばらくして、青い髪の女の子がやってくる。ユリとそっくりな友達のナツミだった。

(ナツミ)あ、シャロンさんいる。シャロンさーん!!

シャロン)ユリさん、おはようございます。

(ナツミ)わたし、ユリじゃなくてナツミだよ。ユリ来てる?

シャロン)ユリさんでしたら、まだ来てませんわよ。

(ナツミ)ふーん、そうなんだ。じゃあまた後で来るね。

ルキア)ねえシャロンさん、さっきの女の子、もしかしてホントはユリさんだったんじゃないのかなぁ?

(ナツミ)何かあったの?

シャロン
さっき「ユリ」さんという、青い髪の女の子が入ってきたんです。
でも見た感じが違うので、「自分のクラスに行きなさい」って言ったのですが、なかなか出ていかなくて今追い出したところです。

(ナツミ)そんなことあったんだ。

ルキア)でもね、ホントはユリさんだったんじゃないかなって思うんだ。

(ナツミ)その「ユリ」さんという、青い髪の女の子、どんな感じだったの?

シャロン)青い髪を下ろして、わたくしと同じ制服を着てましたわ。

(ナツミ)わたしユリだと思うなあ。

シャロン)なぜそういえるんですの?

(ナツミ)前にユリと話してて「制服買った」って言ってたよ。

ルキア)ユリさん、そんなこと言ってたんだ。今ごろまたどこかで泣いていたりしてるのかなぁ。

シャロン)だったら大変ですわ。早く探さないと。

(ナツミ)教室から追い出したのなら、廊下にいると思ったけど、わたしが来たときユリはいなかったよ。

シャロン)あまり時間がないので、手分けして探しましょうか。

ルキア)前に、あいさつされなくてユリさんすねちゃって、トイレで泣いていたことがあったんだ。

(ナツミ)じゃあ、またトイレで泣いているのかなぁ?

シャロン)もうすぐホームルームですから、早く探さないと。

こうして3人でユリを探しに行くことになった。

シャロンルキアさん、トイレの中見てくださらない?

ルキア)いいよ。ちょっと待ってて。

ルキアが個室を1つ1つ見ていくも、そこにユリの姿はなかった。

ルキア)中には誰もいなかったよ。

シャロンルキアさん、ありがとうございます。ユリさん、どこにいったのかしら?

(ナツミ)ほかに心当たりないの?

ルキアシャロンさん、屋上に行ってみようよ!

シャロン)もうすぐホームルームが始まりますわ。でも、ユリさんがいないとも言い切れませんわね。

・・・屋上に上がる階段
ユリは階段に腰かけて泣いていた。

(ユリ)
ぐすっ、シャロンさんもルキアさんもわたしのこと気づいてくれなかった・・・。「自分のクラスに行きなさい」って言われて、追い出されちゃった・・・。ひっく。

誰かが階段を上がってくる。

(ナツミ)あ!ユリ!

(ユリ)ナツミさん!

(ナツミ)わたしのことは「ナツミ」って呼んでいいよ。

(ユリ)じゃあわたしのことも「ユリ」って呼んでね。なんでここがわかったの?

(ナツミ)それよりも早く教室行こう。シャロンさんやルキアさんが心配しているよ。

(ユリ)わたし行きたくない。どうせまた教室に入れてくれないと思うから。

(ナツミ)そんなことないと思うよ。一緒に教室行こう。

・・・再び教室

シャロン)教室に戻ってみたものの、やはりユリさんは来てませんね。

ルキア)もうすぐホームルームの時間だよ。

そこにナツミが戻ってくる

(ナツミ)シャロンさーん!!

シャロン)あら、ナツミさん。

(ナツミ)ユリ見つかったよ。

シャロン)どこにいたんですの?

(ナツミ)屋上に行く階段のところにいたよ。だから一緒に連れてきたよ。ユリさん入ってきて。

シャロン)ユリさん、このクラスなのに追い出して悪かったわ、ごめんなさい。ほら、ルキアさんも謝りなさい。

ルキア)ユリさん、このクラスなのにいじわるしちゃってごめんね。

(ユリ)ちゃんと謝ってくれたから許してあげるね。