「QMA」STORY
魔法学校登校日誌 2009年12月24日(木曜日)
・・・シャロンとユリの部屋:昼すぎ
<ユリが補習授業から帰ってくる。>
(ユリ)ただいまー。
(シャロン)ユリさん、お帰りなさい。そういえば、まだかしら?
(ユリ)シャロンさん、「まだ」ってどうしたの?
(シャロン)今日お父様からわたくしに、クリスマスプレゼントが届くはずなんです。
(ユリ)ふぅーん、「クリスマスプレゼント」なんて言葉、何年振りに聞いたんだろう。
(シャロン)わたくしは、その、毎年もらってますのよ。それにしても遅いわね。
(ユリ)今年は来ないんじゃないのかなぁ。
(シャロン)そんなことありませんわ。今までに一度も欠したことないんですもの。
コンコン
(ユリ)はーい!
(シャロン)ユリさん、あなたは出なくて結構です。わたくしが応対いたしますから。少し待ってなさい。はーい、すぐ開けますわね。
<シャロンがドアを開けると運送会社の人が来ている>
(運送会社の人)シャロンさんに、荷物がふたつ届いています。
(シャロン)ありがとうございます。
(運送会社の人)それで、こちらにサインかハンコをいただきたいのですが。
(シャロン)サインでよろしいかしら?
(運送会社の人)結構ですよ。こちらにお願いします。
(シャロン)これでいいですわね。
(運送会社の人)はい、確かに。失礼いたします。
(シャロン)ご苦労さま。
・・・
(シャロン)ユリさん、お待たせしちゃったわね。
<シャロンが戻ってくる。>
(ユリ)わたしさっき「プレゼントなんか来ないだろう」って言っちゃってたね、ごめんなさい。
(シャロン)お父様からのプレゼント、何かしら?楽しみですわね。
(ユリ)シャロンさん、何だろうね。
ガサガサ、ゴソゴソゴソ・・・
(シャロン)あら、これって・・・パソコン?
(ユリ)きれいな色だね。こっちはプリンターが入っているよ。
<それぞれの箱を開けると、中身はパソコンとプリンターだった。>
(シャロン)ユリさん、悪いのだけど、片付けていただけないかしら?
(ユリ)はーい。えーい、えい、えいっ!
(シャロン)ちょっとユリさん!ゴミが散らかってるじゃない!
(ユリ)あ、ホントだ。
(シャロン)も〜、ユリさん、後のこともちゃんと考えないと。
(ユリ)ごめんなさい。
(シャロン)時間がないので、わたくしも手伝いますわ。
(ユリ)ありがとう。
・・・30分後
コンコン
(シャロン)ユリさん、わたくしが応対いたしますからね。はーい、すぐ開けますわ。
<シャロンがドアを開けると、女の人が来ている。>
(女の人)パソコンの初期設定にまいりました。
(シャロン)お待ちしてましたわ。どうぞお入りください。
(女の人)失礼します。あの、どちらのパソコンの方を?
(シャロン)
2台あるのですが、まずはこちらの方から。ユリさん、悪いのだけど、もう1台のパソコンとプリンタをあなたの机のところに運んでおいていただけないかしら。
(ユリ)なんで?どうしてわたしの机に?
(シャロン)詳しくは後で説明いたしますわ。
(女の人)すみません、契約書類を見せていただけますでしょうか。
(シャロン)すぐお出しいたしますわね。
(ユリ)なんでわたしの机にパソコン置くんだろう?
・・・1時間後
(女の人)パソコンの初期設定2台とも終わりましたので、失礼いたします。もし何かありましたら、こちらに連絡してくださいね。
(シャロン)わかりましたわ。ありがとうございます。
(女の人)では、失礼いたします。
(ユリ)ねえシャロンさん、なんでわたしの机にパソコン置いたの?
(シャロン)詳しく説明いたしますわね。ユリさん、あなた誕生日の日に泣いてましたわね。
(ユリ)
あ、あの日ね、わたしシャロンさんと同じ制服着て、髪を下ろして学校に行ったんだけど、そしたら違うクラスの人と間違われて教室に入れてもらえなくて泣いたんだ。誰からもプレゼントもらえないし。ヒドイよ!
(シャロン)みんなユリさんの誕生日のことを、すっかり忘れてしまっていたようですわね。
(ユリ)今年の誕生日、最悪だよ!
(シャロン)ユリさん、誕生日祝ってもらえなかったからって怒らないの。これは、その、わたくしからユリさんにあげますわ。
(ユリ)わたしにくれるの?ありがとう。
(シャロン)誕生日プレゼントよりも、クリスマスプレゼントですわね。わたくしのお下がりだけど、まだ十分使えますが、ひとつ条件があります。
(ユリ)何?「条件」って?
(シャロン)「わたくしの言うことには素直に従うこと」いいわね?
(ルキア)ユリさんでもできることだよ。
(ユリ)なんでルキアさんがいるの?
(ルキア)それは後で言うから。ねえ、ちゃんとできるはずだから、約束しよう。
(ユリ)わかったよ。わたし、ちゃんとシャロンさんの言うこと聞くから。
(シャロン)ユリさん、もしお約束破ったら、返していただきますからね!そういえば、なんでルキアさんがいらっしゃるんですの?
(ルキア)ユリさんが「一緒に運動しない?」って言ってきたから、用意してきたんだ。
(ユリ)ルキアさんもやりたいんだ。
(ルキア)体を動かしたくてね。だから用意してきた。
(ユリ)外寒いんだけど、あと気持ちいいよね。ねえシャロンさんも行こうよ〜。
(シャロン)お断りします。
(ユリ)ふーん、この前「世界最大の哺乳類の名前」の問題、答えられなかったの誰だったかなぁ?ねえシャロンさんも、行こうよ〜。
(シャロン)わ、わかりましたわよ。行けばいいんでしょ。
(ルキア)じゃあわたし、外で待ってるね。
(ユリ)シャロンさん、わたしたちも行く用意しよう。
<こうして3人は、運動しに行ったのであった。>