「QMA」STORY

魔法学校登校日誌 2010年7月16日(金曜日)

LHR(ロングホームルーム)

(サツキ)チャイム鳴ったよ。席につこうね。

シャロン)起立、礼、着席!

(サツキ)はい、お願いします。今日はみんなお待ちかねの、通信簿を渡しますからね。

(ユリ)そんなの誰もほしくないってば。

シャロン)ユリさん、それはないと思いますわ。先生におしおきしてもらいましょう。

(ユリ)え、ええーっ、ヤダよー。

シャロン)はいっ、先生!

(サツキ)シャロンさん、どうかしたの?

シャロン)今ユリさんが「通信簿ほしい人なんて誰もいない」って、おっしゃいました。おしおきしてください!

(サツキ)ユリさん、それはないと思うよ。自分の成績を見たい人もいるよ。えいっ!

ピシャーン!!

(ユリ)ぎゃぼぉぉぉ。

(サツキ)じゃあ気を取り直して、通信簿を渡しましょう。まずはユウくん!

(ユウ)ええーっ、お姉ちゃん、なんでいきなりボクなのー?!

(サツキ)ユウくん、早く前に出てきて。

(ユウ)はーい。

(サツキ)ユウくん、まずまずだよ。新学期も頑張ってね。次は…

・・・

(サツキ)次はシャロンさん!

シャロン)ようやくわたくしですわね。

(サツキ)シャロンさんは委員長として、頑張ってくれました。新学期からもお願いしますね。

シャロン)はい。新学期からも先生の…いえ、クラスのために頑張りますわ。

(サツキ)次はユリさん!

(ユリ)はいはーい!

(サツキ)ユリさんすごいじゃない!びっくりしちゃった。

(ユリ)ホントなの?わたしいい成績だったんだ。後でゆっくり見ようっと。

(サツキ)最後はアロエさんとルキアさん、一緒に前に出てきてください。

ルキア)「アロエちゃんと一緒に」って、どういうことだろう?

アロエ)もしかしてあたし、悪かったのかなぁ…。

(サツキ)ルキアさんとアロエさん、こんな成績取っちゃうなんてどうしたの?

ルキア)うわぁ、成績悪いじゃん。

アロエ)やーん、あたしビリだよー。

(サツキ)2人ともこのままじゃいけないよ。新学期はもっと頑張ってね。

アロエ)ぐす、あたしビリになっちゃった…。

ルキアアロエちゃん、ビリになったからって泣かないで。

(サツキ)
今日はこれでおしまいです。新学期には元気な顔を見せてくださいね。
では少し早いですが、わたしのホームルーム終わります!

(ユリ)終わったぁ。早く帰ろうっと。

(サツキ)あ、そうそう、アロエさんとルキアさんとユリさんは、帰る前に職員室に寄ってくださいね。

(ユリ)なんでわたしもなのよー?

シャロン)ユリさん、そんな言い方いけませんわ。また雷落とされたいの?何か用があるからだと思いますわ。

(ユリ)きっとそうだろうな。

シャロン
ついでにお願いしたいのだけど、アロエさんとルキアさんに、後でわたくしの部屋に来ていただくよう伝えておいてくださらない?

(ユリ)何か2人に用でもあるの?

シャロン)成績を確かめたいんです。あなたもちゃんと見せてくださいね。

(ユリ)前からずーっと気になるんだけど、どうしてシャロンさんにわたしの成績見せないといけないの?

シャロン
「どうして?」…、忘れてしまったんですの?
わたくしはあなたのクラスメートであり、ルームメイトですのよ。だからいつも心配なんです。

(ユリ)わたしのこと心配なんだ。じゃあ見せてあげるから。

シャロン)よろしい。さ、わたくしも帰るとしましょう。

(ユリ)わたしも一緒に行く行く!

シャロン)途中までだったらいいわよ。

(ユリ)あ、わたし、先生のところ行かないといけないんだった。