「QMA」STORY
「QMA」(マジックアカデミー・マジアカ・くま・熊)STORY(前編)
魔法学校登校日誌 2009年7月17日(金曜日)
・・・ユリの部屋
<ユリが寝ていると、そこにシャロンが入ってくる。>
(シャロン)ユリさん、おはようございます。
(ユリ)う、う〜ん、ムニャムニャ。
(シャロン)ユリさん、まだ寝てますわね。早く起こしてあげないと。ユリさん、起きてください!
(ユリ)ふわぁ〜、あ、シャロン、おはよう。なんでわたしの部屋にいるの?
(シャロン)ユリさんを起こしにきたんです。わたくしと一緒に、学校に参りましょう。
(ユリ)えっ、もうそんな時間なの?
<ユリがふと時計を見ると、学校に行くにはまだ少し早い。>
(ユリ)なぁーんだ、まだ学校に行くには早いじゃん。
(シャロン)確かに少し早いですわね。でも今からだったら、ゆっくり用意できますわよ。
(ユリ)体がなんかベタベタするからシャワー浴びたいし、髪整えたいからいいかも。ありがとうシャロン。
(シャロン)今日はわたくしも、早く目が覚めたものですから。ユリさん、もたもたしていたら、すぐ時間が経ってしまいますわよ。
(ユリ)そうだね。じゃあわたし、シャワー浴びてくるね。
(シャロン)わたくしはこの辺で。失礼いたします。
(ユリ)ねえシャロン、待っててほしいなぁ。
(シャロン)なぜですの?
(ユリ)今日シャロンと一緒に、学校行きたいから。
(シャロン)わかりましたわ。待っててあげます。ユリさん、早くしてくださいね。
(ユリ)わかったよ。
・・・10分後
(ユリ)あー、気持ちよかったぁ。
(シャロン)では学校に行く用意をしましょう。
(ユリ)はーい。シャロン、ひとつ聞いてもいい?
(シャロン)何ですの?
(ユリ)今日のシャロン、なんか髪を上げてるから。
(シャロン)あの、これですの?気になりました?暑いので、上げているんですのよ。
(ユリ)ねえシャロン、わたしも同じようにしてほしいなぁ。
(シャロン)わかりましたわ。
(ユリ)なんかいつものシャロンと違う。すごく優しい。
(シャロン)どうしたんですの?ユリさん。
(ユリ)今日のシャロンって、すごく優しいと思うんだ。
(シャロン)今日は特別な日ですから。
(ユリ)今日「特別な日」って、何かあるの?
(シャロン)今日は終業式なんですのよ。ユリさん、動かないでくださいね。
(ユリ)ということは、明日から夏休みなんだね。
(シャロン)ユリさん、今日で学校はとりあえず終わりですけど、掃除もあるので、最後までちゃんとしましょうね。終わりましたわよ。
(ユリ)ありがとう。
(シャロン)ユリさん、鏡で自分の姿を見てみましょうか。
(ユリ)うわぁ〜、なんかわたし変わったみたい。みんなびっくりするだろうなぁ。
(シャロン)ではご一緒に、学校に行きましょうか。
(ユリ)はーい。
・・・朝の教室
<学生が話をしたりなどしている。そこにシャロンとユリが登校してくる。>
(シャロン)みなさん、おはようございます。
(ユリ)みんなー、おっはよー!あれっ・・・誰も返してくれない。
(校内放送)終業式をしますので、体育館に集まってください。もう一度繰り返します・・・
(シャロン)あら、体育館で終業式をするんですのね。早く参りましょうか。
(アロエ)ユウくん、一緒に行こう。
(ユウ)うん。
(ユウ)シャロンさん、おはようございます。
(アロエ)あたし、先に体育館行っとくね。
(ユウ)アロエちゃん、待ってよ〜!!
(ユリ)誰もわたしのこと、気付いてくれない。
(ルキア)えっ、もしかしてユリなの?きっと誰か気付いてくれると思うよ。ほら、
元気出して。
(ユリ)わたしのこと、誰か気付いてくれるかなぁ。
(ルキア)大丈夫だよ。それよりも体育館に行こう。終業式だって。シャロンも一緒に行こう!
(シャロン)そうですわね。ユリさん、ルキアさん、ご一緒いたしましょう。
・・・30分後、再び教室
<ユリとルキアが話をしている。>
(ユリ)今日髪型変えてみたの、失敗だったかなぁ?わたしのこと、誰にも気付いてもらえなかった。
(ルキア)ユリ、気付いてくれるって。誰か来るよ。
(ルキア)ユリだよ。
(アロエ)ユリちゃん、今日来てるの?
(アロエ)ユリちゃん、ごめんなさい。
(ユリ)なんで謝るの?
(アロエ)あたしユリちゃんのこと、気付かなかったから・・・。
(ユリ)今日髪型変えてみたんだ。どうかなぁ?
(ルキア)わたしもね、最初ユリだと気づかなかった。ごめんね。
(アロエ)ユリちゃん、カワイイよ。
(クラスメート)ユリさん、今日来てたんだ。全然気付かなかったよ。
(クラスメート)おおっ、ユリがいつもと違うじゃん。
(ユリ)わたしのことほめてくれるの?うれしい〜、ありがとう。似合っているでしょう。
(クラスメート)ユリさん、髪切らないの?
(ユリ)いろいろできるから、切りたくないんだ。
(クラスメート)そういえば、委員長もだね。
(ユリ)ねえシャロン、「話したい」って言ってるよ。
(クラスメート)シャロンさん、その髪型似合っているよ。
(シャロン)わたくしのこと、ほめていただけるんですの?暑いので、上げているんです。
(クラスメート)わたし髪短いから、あんまりできないなぁ。
(シャロン)そんなことありませんわ。方法はあると思います。あら、先生が来ましたわよ。
<サツキが教室に入ってくる>
(サツキ)
はい、みなさん、おはようございます。
今から大掃除をします。2つの班で一緒にやってもらいます。
班分けを言うので、各自担当の場所に行って、すぐに始めてください。
シャロンさんの班とヤンヤンさんの班はトイレ、ルキアさんの班とクララさんの班は教室、言われなかった班の人は外で草引き、それぞれやってください。
(クラスメート)え〜、俺たち草引きかよ〜。暑いじゃん。
(シャロン)「草引き」でも、ちゃんとした掃除ですわよ。
(クラスメート)委員長がそう言うなら、暑いけど頑張るから。
(シャロン)頑張った人には、ごほうびあげますわ。
(ユリ)ちょっとシャロン、そんなこと言って大丈夫なの?
(シャロン)ユリさんも、掃除頑張ったらごほうびあげますわよ。
(サツキ)では各自担当の場所に行って、すぐに始めてください。
<各自担当の場所に行くクラスメート>
・・・教室
(ルキア)うーん、そうね。まずは床を掃こう。はい、レオンくん、ほうき。
(レオン)うりゃぁー、負けねえぞー!!
(アロエ)はーい。
カチン!カチン!カチン!
<レオンとクラスメートがほうきでふざけている>
(ルキア)レオンくん、マジメにやって。
(レオン)わかってるって。
(ルキア)ユウくん、そっち掃いて。
(ユウ)わかったぁ!
(ルキア)
レオンくん、ふざけてないで、マジメに掃除やって。ちゃんとやってないと、いつまでたっても終わんないよ。
わたしが先生に怒られちゃうんだから。
<しかし、レオンはルキアのいうことを聞かなかった。>
ポカ!(ルキアがげんこつで、レオンの頭をたたく)
(レオン)いーてー!何すんだよ!いてーじゃん。
(ルキア)レオンくんが、掃除をちゃんとやらないから。
(レオン)わかったよ。どこをやればいいんだ。
(ルキア)ここをやって。
(アロエ)ねえルキアちゃん、掃くのがおわったら、ぞうきんで床を拭くんだよね。あたし、バケツにお水くんでくるね。ユウくん、一緒に行こう。
(ユウ)ボク、ぞうきん洗うから。
<アロエとユウは手洗い場に行った。しかしこの後・・・>
(ルキア)レオンくん、手が止まっているよ。
(レオン)いでででで!(ルキアに耳を引っ張られる)ちゃんとやるからさ〜。
(ルキア)ちゃんとやって。わたし先生に怒られるの、イヤだから。
・・・一方、トイレでは
(シャロン)では早速ですが、掃除を始めましょうか。わたくしは保健室に行って、亀の子たわしをもらってきますので、掃除をしていてください。
<シャロンは保健室に行った。>
(ユリ)さあ掃除を始めよ〜っと。あ、ヤンヤンはやっちゃダメだから。
(ヤンヤン)ムキィーッ!ユリさん、ひどいアル!
(クラスメート)ユリさん、今日はヤンヤンさんも一緒なのよ。こんなことしたら、後でシャロンに怒られるよ。
(ユリ)だってさ〜、ヤンヤンすぐ怒るもん。マジメにやらないと思う。
(クラスメート)ユリさん、後でどうなっても、私知らないからね。
<ヤンヤンには掃除をさせないユリ。そこにアロエが入ってくる。>
(ユリ)アロエちゃん、今ここ掃除中だよ。バケツなんかもってどうしたの?
(アロエ)お水くみにきた。
(ユリ)お水くむの、外でできないの?
(アロエ)いっぱい並んでるよ。
<ユリが手洗い場のほうを見ると、たくさん並んでいる。>
(ユリ)ホントだ。わかった。特別にくませてあげる。
(アロエ)ありがとう。うう〜ん、お水入れたら重ーい!!
(ユリ)大丈夫?持てる?。
(アロエ)あたし、教室もって行くの頑張る!
<バケツを持っているアロエの前には、順番を待っている、ユウがいる。シャロンは保健室に行って亀の子たわしをもらって戻ってこようとしていた。>