「QMA」STORY
「QMA」(マジックアカデミー・マジアカ・くま・熊)STORY
魔法学校登校日誌 2009年8月5日(水曜日)
・・・ユリの部屋
<ユリはまだ寝ている。そこにシャロンとルキアがやってくる。>
(ユリ)ZZZ・・・う、う〜ん・・・。
コンコン
<コソコソ話す、シャロンとルキア。>
(シャロン)鍵がかかってますわね。
(ルキア)どうするの?
(シャロン)鍵を開けて入りましょう。
(ルキア)そんなことできるんだ。
(シャロン)この部屋の鍵持ってますから。もちろんユリさんには内緒で。
<シャロンとルキアが中に入ると、ユリはベッドでまだ寝ている。>
(シャロン)ユリさん、おはようございます。
(ルキア)ユリ、おはよう。
(ユリ)う、う〜ん・・・。
(シャロン)ユリさん、まだ寝てますわね。早く起こしてあげましょう。ユリさん、起きてください!
(ルキア)ユリ、起きなさい!
(ユリ)う、う〜ん・・・。
(シャロン)ルキアさん、ユリさんを起こしてあげましょう。ルキアさん、手伝ってください。
<ユリがかけている毛布をはずし、シャロンが腕、ルキアが足をつかみ、ベッドから落とそうとする。>
(ルキア)こっち準備できたよ。
(シャロン)それじゃユリさんを、ベッドから落としましょう。せーのっ!
ドサッ!(ユリがベッドから落ちる)
(ユリ)う、うーん・・・。
(シャロン)ユリさん、起きたようですわ。おはようございます。
(ユリ)ん、誰?
(シャロン)おはようございます、ユリさん。
(ルキア)ユリ、おはよう。
(ユリ)ふわぁ〜あ。眠いから、もう少し寝かせて。
(シャロン)ダメです。
(ルキア)ユリを起こしてあげよう。
(シャロン)そうですわね。
パンッ!パンッ!(ユリのほっぺをたたく)
(ユリ)ぐすっ、痛い。朝から何するのよ。
(シャロン)ユリさん、おはようございます。
(ルキア)ユリ、おはよう。
(ユリ)なんで朝からわたしの部屋に、ルキアとシャロンがいるの?
(シャロン)今日は「登校日」ですのよ。わたくしたちと一緒に、学校に行きましょう。
(ユリ)わたし関係ないから、行かない。
ポカ!(ルキアにげんこつで頭をたたかれる)
(ユリ)痛ったぁ〜。何すんのよ!
(シャロン)ユリさん、「登校日」に学校に行かないなんて、認めませんわ!
(ユリ)わかった、わかった、ちゃんと用意するから、たたかないで。何だろう、体のあちこちが痛い。
(ルキア)ユリ、早く用意しようね。
(ユリ)あれ〜、おかしいなぁ。わたしの制服がない。
(ルキア)ユリ、今日のあんたの服はこれだよ。
(ユリ)何、これ?
(ルキア)時間ないから、早く着替えて。
(シャロン)わたくしが「いい」って言うまで、その格好で過ごしていただきますからね!
(ユリ)この格好でなんて、すごく恥ずかしいよ〜。
・・・学校の教室
<学生が話をしたりなどしている。そこにユリとシャロンとルキアの三人が登校してくる。>
(ルキア)おっはよー!
(シャロン)おはようございます。
(ユリ)・・・。
(シャロン)ユリさん、ちゃんとごあいさつしないと。
(アロエ)あーっ、シャロンちゃんとルキアちゃんとユリちゃんだー。おはようございまーす。あれ、ユリちゃんどうしたの?元気ないね。
(クラスメイト)シャロンさん、ユリさん、ルキアさん、おはようございます。
(クラスメイト)おい、見てみろよ。今日の副委員長、なんか恥ずかしそうにしてるぞ。
(クラスメイト)そりゃそうだろ。でもあんな格好、俺は好きだそ。
(クラスメイト)もし委員長があの格好だったら・・・。
(クラスメイト)もしやってくれたらって思うと・・・。
(シャロン)わたくしがあんな格好をですって・・・?
(クラスメイト)やべぇ、委員長いたんだ!
(クラスメイト)逃げろー!!
(シャロン)待ちなさーい!
<シャロンはクラスメートを追いかけて、出ていってしまう。>
(アロエ)ユリちゃんどうしたの?今日元気ないよ。
(ユリ)だってこの格好、すごく恥ずかしいもん。
(アロエ)ユリちゃん、似合ってるよ。
(ルキア)今日のユリ、またいつもと違って、カワイイよ。
(ユリ)そ、そうかなぁ・・・。あ、シャロン戻ってきた。
(シャロン)はぁっ、はぁっ、つ、つかまえましたわ。逃げ足だけは早いんですのね。
(シャロン)さてと、おしおきしましょうか。
(クラスメイト)委員長、今のこと見逃してくれよ〜。
(シャロン)ダメです。(クラスメイトの頭をグリグリする)
(クラスメイト)痛でででで!
(クラスメイト)痛い!痛い!
(ユリ)シャロンって、足早かったんだ。
(シャロン)それってどういうことかしら?(ユリのほっぺをつねる)
(ユリ)いひゃい!いひゃい!いきなりほっぺつねんないでよ!痛いじゃない!
キーン、コーン、カーン、コーン(チャイムの音)
(シャロン)チャイムが鳴りましたわ。早く席に着きましょう。
<サツキが教室に入ってくる>
サツキ)みなさん、おはようございます。シャロンさん、号礼お願いします。
(サツキ)
おはようございます。ホームルーム始めますね。
今日は、この前の試験の結果を渡します。もし赤点だった人は、補習を受けてもらいます。
ホームルームが終わったら、各授業担当の先生のところに行ってください。
赤点がなかった人は、ホームルームが終わったら、帰ってもいいですよ。
順に名前を呼ぶので、前に取りに来てくださいね。
(ユリ)わたしダメかも。
(ルキア)ユリ、なんか思いつくことでもあるの?
(ユリ)「理系学問」。テストで、答えが全然わかんなかったから。
(ルキア)もし補習になっても、頑張ればいいじゃない。
(サツキ)アロエさん!
(アロエ)はーい。
(サツキ)アロエさん、頑張りましたね。これからも頑張ってください。
(アロエ)あたし頑張ったんだ。
・・・
(サツキ)シャロンさん!
(シャロン)はいっ!
(サツキ)あっ、シャロンさんは、最後に呼ばないといけないんだったわ。ごめんなさい。
(シャロン)ちょっとサツキ先生!わたくしが最後だなんて、どういうことですの?
(ユリ)シャロン、どうしたんだろう。
・・・
(サツキ)最後はルキアさん、ユリさん、シャロンさん、一緒に前に来てください。
(ユリ)まさか、わたし赤点取っちゃったとか・・・?
(ルキア)もしかして、わたしも?
(シャロン)なんでわたくしまで?
(サツキ)ルキアさん、ユリさん、シャロンさん、これはダメだよ。
(シャロン)どういうことですの?
(サツキ)今からそれぞれの成績を渡すね。これがルキアさん、これがユリさん、これがシャロンさん・・・。どういうことかわかった?
(ユリ)わたし赤点だった。ぐすっ。
(ルキア)はぁ〜あ、赤点だったよ〜。
(シャロン)このわたくしが赤点ですって!?こんなのおかしいわよ!ムキィーッ!!
(サツキ)
シャロンさん、わたしね、最初何かの間違いだと思ったんだけど、先生に聞いたら点数取れてなかったんだって。
ユリさん、赤点だったからって泣かないで。三人とも、自分の席に戻ってください。
(ルキア)ユリ、席に戻ろう。
(シャロン)ユリさん、赤点取ってしまったのは仕方ありませんわ。席に戻りましょう。
<泣いているユリを連れていく、シャロンとルキア。自分の席に着いても、ユリはまだ泣いていた。>
(サツキ)
これでホームルーム終わりにします。ルキアさん、ユリさん、シャロンさんの三人は、この後職員室に来てください。シャロンさん、号礼お願いします。
(シャロン)起立!礼!
・・・放課後
(ルキア)わたしは2つ。「芸能」と「文系学問」。
(シャロン)わたくしは「スポーツ」で赤点でしたが、水泳の授業で見学していたので、実質2つというところでしょうか。
(ルキア)もしかしてユリは、赤点だったのもっと多いんじゃないのかなぁ。成績見せて。
(ユリ)ぐすっ、見せたくない。ヤダ!
(ルキア)ユリ、どうして隠すの?
(ユリ)見せたら、シャロンやルキアがわたしのこと怒るから!わたし帰る!
(シャロン)それはダメです!認めません!そんなことをしたら、ユリさんを怒ります!ユリさんにおしおきします!キィーッ!!
(ユリ)シャロンに怒られたり、おしおきされるなんてイヤだよ〜。
(ルキア)ユリ、とりあえず成績見せて。
(ユリ)成績見て怒らないでよ。
(ルキア)
あーあ、紙がグチャグチャじゃない。(涙で紙がグチャグチャになっている)
赤点が「ノンジャンル」と「アニメ&ゲーム」と「文系学問」と「理系学問」と4つもあって、クラス全員の中で最下位になってる。
ユリがわたしやシャロンよりも悪いなんて。
(ユリ)職員室に行ったら、先生に怒られたりおしおきされるのわかっているから、行きたくない!
(シャロン)「ご自分だけ先に帰る」とか、「職員室に行きたくない」とか、ユリさんってワガママなんですのね。
(ルキア)ユリって、ワガママだったんだ。みんなに言っちゃおっかなぁ・・・。
(シャロン)
ユリさん、「職員室に行って、先生に怒られたりおしおきされる」、もしくは「わたくしに怒られたりおしおきされる」、どちらか選びなさい。
(ユリ)うーん・・・、どっちもイヤだからさ〜、わたし教室で待ってるから!あ、もしかしてダメ?
ポカ!ポカ!パチン!パチン!(シャロンとルキアにげんこつで頭を、手でほっぺをたたかれる)
(ユリ)痛ったぁ・・・。なんでたたくのよ!
(シャロン)ユリさん、その選択肢はありません!先生のところに行くの?行かないの?本当に怒りますわよ。
(ルキア)ユリ、早くして。時間経ってるから。
(ユリ)「先生に怒られる」のも、「シャロンに怒られる」のも、どっちもイヤなんだけどなぁ・・・。よーし決めた!先生のところに行こう!
(シャロン)ユリさん、最初からそうなさっていたら、わたくしやルキアさんにたたかれなくて済んだんですのよ。
(シャロン)先生がお待ちですから、早く参りましょうか。
<結局、シャロンとユリとルキアの三人は職員室に行った。>
・・・職員室
(シャロン)ユリさん、先生の「おしおき」ちゃんと受けましょうね。
(ユリ)はーい。
(シャロン)では、中に入りましょうか。失礼いたします。サツキ先生はいらっしゃいますか?
(サツキ)シャロンさんに、ユリさんに、ルキアさん、来てくれたんだ。こっちに来てください。
<サツキの机に行く三人>
(サツキ)「ホームルームが終わったら職員室に来なさい」って言ったのに、何やってたの?遅いよ。
(シャロン)ごめんなさい。ユリさんのせいなんです。
(サツキ)ユリさん、何かあったの?
(シャロン)ユリさんが「行きたくない」とか、「わたし帰る」とか言って、大変だったんです。
(サツキ)ユリさん、わたしの言うこと聞けないの?
(ユリ)ごめんなさい。
(サツキ)そういえば、わたしの授業で赤点だったの、ユリさんだけだよ。どうしたの?えぃっ!
(ユリ)答えがわからなくて・・・ぎゃぼぉぉぉぉ。
(シャロン)ユリさん、大丈夫ですの?
(ユリ)大丈夫。
(サツキ)ユリさん、新学期からはわたしの授業頑張ってね。
(ユリ)はーい。
(サツキ)シャロンさんは、もう少しお話したいことがあります。
(シャロン)何ですの?
(ルキア)ユリ、アメリア先生いるみたいだから、一緒に行こう。
<アメリアの机に行く、ユリとルキアの二人。>
(ルキア)先生、ユリと二人で来ました。
(アメリア)ルキアさん、ユリさん、何で来たのかわかってるわよね?わたしのテストで悪い点を取るってどういうことなの?反省しなさーい!!
(ユリ)うぼぁあ!ごめんなさい!
(ルキア)あ〜ん、ごめんなさ〜い!
(アメリア)ルキアさん、ユリさん、次のテスト悪い成績だったら許さないわよ。
(シャロン)あらあら、ルキアさん、ユリさん、どうしたんですの?
(ルキア)ううっ。おしおきされちゃった。
(ユリ)ぐすっ。アメリア先生ひどいよぉ。
(ルキア)わたしは、フランシス先生のところ行ってくるね。
(ユリ)マロン先生のところ行ってくるよ。
(シャロン)わたくしは、ガルーダ先生のところに行きましょう。
・・・10分後
(シャロン)終わりましたわね。
(ルキア)あ〜、終わったけど、明日から補習だよね。はぁ〜。
(ユリ)終わったから、早く帰ろう。
(シャロン)ユリさん、あなたはまだですわ。
(ユリ)え「まだ」って・・・。
(シャロン)ロマノフ先生のところ行ってないじゃないの。
(ユリ)ロマノフ先生のおしおき怖いから行きたくない。
(ルキア)ダーメ。ちゃんと行こう。待っていると思うよ。
(ユリ)じゃあ、それだったら行く。
・・・化学実験室の前
(ユリ)ロマノフ先生のおしおき怖いから、入りたくないよ。
(ルキア)ちゃんと「おしおき」受けよう。
(シャロン)わたくしもルキアさんも待っていますから、早く行ってきなさい。
(ユリ)はーい。
<ユリが中に入ると、ロマノフが待っていた。>
(ロマノフ)遅い!何をしていたのじゃ?待ちくたびれたぞ。
(ユリ)先生のおしおきが怖くて、行きたくなかったんです。
(ロマノフ)何じゃと?ワシのおしおきが嫌いじゃとな。ふんっ!
(ユリ)ぎゃぼおぉぉぉ。
(ロマノフ)ワシのテストで0点なんか取りおって。許さんぞ!今度悪い成績だったら、問答無用で留年にするぞ!
(ユリ)うぼぁあ!ごめんなさい!
(ロマノフ)ワシの授業、これからはちゃんと集中するんじゃぞ!よいな!
(ユリ)うっ、ううっ、うえーん!
(ロマノフ)もう帰ってよいぞ。
(ユリ)ぐすっ、失礼しました。
・・・
(ルキア)あ、ユリ出てきたよ。大丈夫だった?
(ユリ)うう〜っ、うえーん!
(シャロン)ユリさん、あなたが0点なんか取るからですわよ。明日からの補習、頑張りましょうね。